2018-02-18から1日間の記事一覧

無関心

僕は木に登っていた。冬の空と山際だった。空気は灰色をして、汽笛から透明な煤が吹いて、遠く遠く行き渡ったようだった。白茶けた枯れ草に覆われた畝は、次第に夕暮れの中に波打って、ひとつ、ふたつ、飛び石のように散らされてある瓦屋根も沈んで見えた。 …