散歩

夜を基準に物事を見ると感想が変わる。泥酔して抱え合いながらネオン灯の落ちる歩道で倒れる若い二人連れも、昼に疲れた自分を嫌な気分にさせるものから、面白いものに変わる。こっちはこんなに健やかな気持ちで歩いてるのに、何故か歩道でへべれけにぶっ倒れてる人がいるのだ。変だ。面白い。朝になり切る前に部屋に戻った。街なのに空気が爽やかで、気持ちいい。

 


崩れた倫理を嘆く僕は夜の散歩をしていない。シリアスに不倫してる人とかも、なんか面白く見える。何してんだろこの人たち。

 


面白く見えてしまえば描写するのは簡単で、対象物になってゆく。書ける気分のものが増えて得意になった。